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- Language: Japanese
株式会社織田家の社長としての信長を、経営コンサルタントのNISHIが分析してみました。図解をふんだんに使用しましたので楽しみながら学べます。
マーケティングに必要なポジショニング、ブランディングの視点や、地政学の視点、そして人材マネジメントの視点を入れながらまとめてみました。
第１章 楽市楽座
第２章 貨幣政策 〜 土地よりも湯呑みが欲しかった？
第３章 銀を見れば世界が見えてくる
第４章 社長・信長、部長・秀吉
〜 本書まえがきより 〜
この本は、織田信長の経営者としての側面について分析し、執筆しました。織田信長というと日本史上では、革新者として知られています。「泣かぬなら殺してしまえホトトギス」の歌で表されるようにいわゆる暴君として理解されていることでしょう。私も歴史の授業でそう習いましたし、「織田信長＝激しい政治家」として当時は、意識していました。
しかし、大人になるにつれて、政治家がやっていることは一般大衆に理解されづらいことがかなり多いのだと私たちは知るようになります。この書籍を執筆した時点で東京都の築地市場の豊洲移転問題が大騒ぎしていますが、私たち一般大衆にとっては、もはや何が「論点」で何が「課題」で何が「原因」で何が「ベスト」で何が「ベター」で何を「都民が負担」しなくてはならないのか？わからなくなってきています。
「それって何の意味があるの？」「あなた達は何をしているの？」と連日行われている国会中継について突っ込みたくなった人もいることでしょう。
逆に政治家の経済政策のおかげで一気に経済が活性化した例もあります。有名な例で言えば、大阪の爆買いに代表されるインバウンド・ブームでしょう。
今や日本中に外国人観光客があふれています。
２００９年のことです。関空再生のためにPeachに代表されるLCCの誘致を進め、また貨物を重視する（フェデックスの北太平洋地区のハブを関空に持ってくる）という方針は、前原国土交通大臣の下に設けられた国土交通省成長戦略会議で有識者を交え、議論を重ねられ、国土交通省成長戦略としてまとめられたものが骨子になっています。
この成長戦略がなければ今の外国人観光客が日本にたくさんのお金を落としてくれているという毎日は存在しえないわけです。
ただ、政治家が日本の経済のために、何を考えてどう手を打ったのかは、なかなか一般大衆にはリアルタイムには伝わりづらいものです。逆に言えば、ある程度の年月を経てば当時の政治家が放った「一手」をしっかりと吟味しやすくなると言えます。結果が出ていますから。
そう考えた時に、織田信長のことが、ぽんと私の頭に浮かびました。日本史の中で一、二を争う人気者です。戦国武将「織田信長」としての戦いの側面ばかりではなく、もっと地域の経済に与えた影響や日本国全体に及ぼした影響を紐解いていくのは面白いのではないか。いわば、経営者としての織田信長、商人としての織田信長です。それは織田信長の新たな功績を見つけることにつながるのではないかと思い、執筆した次第です。
私の仕事は、経営コンサルタントです。地域の中小企業、商店などの名もなき地場産業を支える仕事をしています。やはり地域を活性化させるのは、商売やビジネス、経済によることがほとんどです。あまた零細企業の経営を見てきた目で株式会社織田家の信長社長という偉人の打ち手を吟味してみたいと思い立った次第です。
この本は「通勤に学ぶ、図解に学ぶ」をテーマにした「サルでもわかるマーケティングレポート」の第１弾となっています。細かい説明をあえてばさっと省いた箇所もありますが、このレポートで織田信長の新しい一面を知ってもらえば嬉しいです。
〜 本書あとがきより 〜
私は学生時代、世界史を専攻していました。日本史があまり得意ではなく、wikipediaを見ながら自分なりにまとめて見ました。学生の時は世界史の成績は良かったのですが、ある一定のレベルで頭打ちになっていました。それが東大京大レベルの世界史です。日本トップクラスになると、単純な暗記では太刀打ちできず、世界史の中の日本史、という視点でみないと問題を解く糸口さえ見つからないものです。
この本のテーマは、経営者織田信長ではありますが、信長が生きた１６世紀をテーマにしています。１６世紀に世界で何が起きており、それがどう日本に影響を与えており、それにより政治面で何が起こり、経済面で何が起こっているのか、一つの視点を提供したつもりです。
もちろん、ただの１６世紀の論述で終わると、「だから何？」「何の役に立つの？」となりますので、２０１３年のアメリカのシェール革命などを事例に出しつつ、現代につながる視点を意識してみました。